スタッフに指摘したら、不貞腐れられた。
「伝え方が悪かったのかな」「嫌われたかな」と、その後ずっとモヤモヤしていませんか?
指摘することは、相手に嫌な思いをさせるかもしれない。
関係性が悪化するかもしれない。
それでもリーダーはしなければならない場面があります。
私は介護現場でリーダーを10年以上経験してきました。
その中で、指摘するたびに凹んでいた時期があります。
ただ、ある考え方を持つようになってからは、凹むことが減りました。
この記事では、指摘した後に不貞腐れられた時の受け流し方と、凹まないための思考法を解説します。
この記事を読むと、指摘した後のモヤモヤの原因がわかり、少し気持ちが楽になります。
結論、相手の不貞腐れは自分への否定ではありません。
そう理解できた瞬間から、凹まなくなります。
なぜ指摘で凹むのか

指摘した後に凹む理由は、大きく4つに分けられます。
① 「嫌われたかも」と感じるから
指摘した側は「行動を直してほしい」と思っているだけです。
でも相手が不機嫌になると、「怒らせてしまった」「嫌われたかな」「言い方が悪かったかな」と、相手の感情まで自分の責任のように感じてしまいます。
ただ、指摘することと、相手がどう受け取るかは別問題です。
ここを分けられると、かなり楽になります。
② 伝わってほしいと思うから
指摘はエネルギーを使います。「今後よくなってほしいから言おう」と考えて、勇気を出して伝える。
それなのに相手が「はいはい……」という反応をすると、「こっちはあなたのためを思って言ったのに」という気持ちが出てきます。
これは相手に言い返されたからではなく、自分の意図が受け取ってもらえなかったように感じるからです。
③ 相手の不機嫌が気になるから
人間は、相手の表情や態度の変化にかなり敏感です。
指摘する→相手がふてくされる→空気が悪くなる→「この空気、自分が作ったのかな」となります。
でも冷静に考えると、「不機嫌になる」という選択をしているのは相手です。
あなたが責任を負うのは、事実を確認して必要なことを伝え、相手を不必要に傷つけないところまでです。
その後どう受け取るかは相手の領域です。
④ 良いリーダーでいたいから
「スタッフに信頼されたい」「嫌われたくない」「ちゃんと話し合える関係を作りたい」と思っているほど、「指摘したら嫌な顔をされた」=「関係が悪くなった」と感じやすくなります。
ただ、信頼されるリーダー=嫌なことを言わない人ではありません。
「この人は必要なことはちゃんと言ってくれる」という信頼もあります。
わたし自身、リーダーになりたての頃は指摘するたびに凹んでいました。
「また嫌われた」「次からは言わないでおこう」と思って距離を置いてしまったこともあります。
あるスタッフにルール通りに動いてほしいと指摘したことがあります。
その後、挨拶の声のトーンがいつもより落ちていました。
悪いことはしていないのに、なぜか後悔しました。
ただ、わたしはスタンスを変えませんでした。指摘したことは正しいと思っていたからです。
リーダーが指摘をやめることは、チームにとっても利用者にとってもマイナスです。
大切なのは、凹まないための考え方を持つことです。
「嫌われたくない」という気持ちとの向き合い方はこちら▼
【介護リーダー向け】嫌われる勇気が必要な理由|現場で信頼を失わない考え方
不貞腐れる反応を受け流す考え方

指摘して不貞腐れられた。
その反応をどう受け流すか。
「観察する側」に回る
凹む側から観察する側に意識を変えます。
「この人はどんな反応をするのか」「次に会った時どうなっているか」と観察することで、相手の反応に引きずられなくなります。
以下は科学的に証明されたものではなく、介護現場での経験をもとにした目安です。
不貞腐れた後の行動を見ると、傾向が見えてきます。
- 完璧主義タイプ:時間が経つと自分から改善策を持ってくる、または過剰に自己反省する
- 自己防衛タイプ:指摘した人を避け始める、距離を置く
- 学習性無力感タイプ:「どうせ自分なんて」的な発言が増える
- プライドタイプ:攻撃的になるか、何事もなかったように振る舞う
タイプがわかると「この人はこういうタイプだから、こういう反応になるんだ」と理解できます。
相手の反応が自分のせいではないとわかるから、凹まなくなるのです。
ただし、その日の体調や気分によって同じ人でも態度が変わることがあります。
「今日はすんなり受け取ってくれた」という日もあれば、「今日はいつもより反応が悪かった」という日もある。
1回の反応でタイプを決めつけず、継続的に観察することが大切です。
介護現場では、経験年数が長いスタッフがプライドタイプで不貞腐れるケースが多いです。
「できて当然」という自己イメージが強いため、指摘されると格好悪いと感じ、一時的に態度が変わります。
ただ、次に会った日には何事もなかったように振る舞うか、逆に無視・悪い噂を流すなど攻撃的になることがあります。
攻撃的なスタッフへの対処法はこちら▼
【お局を黙らせる方法】介護リーダーが就業規則で職場を変えた実録完全版 今日の反応より、明日の変化を見る
不貞腐れた翌日、相手がどう動くかを観察してください。
タイプによっては、時間が経つと自分から動き出します。
凹んで距離を置くより、変化を待つ姿勢が大切です。
相手のタイプを理解することで、こんなメリットがあります。
- 自分のせいではないとわかる:凹まなくなる
- 次の反応が予測できる:「プライドタイプだから次に会った時は普通に戻るだろうな」と心の準備ができる
- 「嫌われた」と思わなくなる:自己防衛タイプが距離を置いてきても「この人のパターンだ」と受け止められる
- 指摘し続けられる:関係が崩れることなく、必要な指摘ができるようになる
「相手の反応まで背負わない」
不貞腐れるのは、あなたの指摘が悪かったからではありません。
相手の不貞腐れは、相手の問題です。
自分への否定ではありません。
補足・注意点

指摘のタイミングと場所に気をつける
どんなに正しい指摘でも、タイミングと場所を間違えると相手は受け取れません。
- 人前で指摘しない:他のスタッフの前での指摘は恥をかかせることになります。必ず1対1で話す場を作りましょう。
- 忙しい時間帯を避ける:申し送り直前や食事介助中など、スタッフに余裕がない時間帯は避けましょう。
- 感情的になっている時は待つ:自分がイライラしている時の指摘は、言葉がきつくなりがちです。落ち着いてから伝えましょう。
やってはいけない指摘の仕方
指摘の内容が正しくても、伝え方によっては逆効果になります。
- みんなの前で比べない:「○○さんはちゃんとできてる」という比較は、関係を壊します。
- 人格を否定する言葉は使わない:「なんでこんなこともできないの」はNGです。行動に対して指摘し、人格は否定しない。
- 過去のことを何度も持ち出さない:「前もこうだった」と蒸し返すと、相手は追い詰められます。今回の出来事だけに絞りましょう。
指摘しなければならない理由

指摘することは、相手が嫌な思いをするかもしれない。
関係性が悪化するかもしれない。
それでもリーダーが指摘しなければならない理由があります。
指摘しなければ、現場は変わらない
指摘をやめれば、その場の空気はよくなります。
でも、だめなことはだめと伝えないと無法地帯になり組織として機能しなくなります。
リーダーは決めて、変える
リーダーは誰からも好かれる必要はありません。
チームのケアの質を守り、施設を変えていくことが仕事です。
指摘は利用者のためにある
介護現場では、ケアの質を守るために指摘は必要です。
相手の機嫌より、利用者へのケアを優先することがリーダーの役割です。
指摘することへの後ろめたさを感じたとき、「これは利用者のためにしている」と思い直してください。それだけで、少し気持ちが楽になります。
介護リーダーとして、何から取り組めばいいかわからない方はこちら▼
【3ステップで解説】何から取り組むかがわかる介護リーダーロードマップ まとめ

スタッフに指摘して凹むのは、リーダーとして真剣に向き合っている証拠です。
ただ、相手が不貞腐れる理由はあなたのせいではありません。
指摘されることが苦手な人は、正しいことを言われても「ありがとう」ではなくネガティブに受け取ることがあるからです。
凹んだ時は、まず自分を褒めてください。
嫌われる可能性があるにもかかわらず、あなたは指摘というアクションを起こしたのです。
それだけで十分すごいことです。
指摘しなければ、現場は変わりません。
リーダーの仕事は「決めること」と「変えること」です。
凹みながらでも指摘し続けるリーダーが、チームを動かし、施設を変えていきます。

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