介護現場では毎日多くの問題が発生します。
「利用者の事故」や「シフトが回らない」「書類・記録業務に追われる」など。
もぉ〜手に負えません。と思ったことはありませんか?
実は、問題解決思考を身につければ、『もう無理!』と思う現場も改善できます。
現場で起きる問題は繰り返していることが多いです。
なぜか?
それは根本的な解決ができていないためです。その場しのぎの対応をしてきた結果です。
もちろん問題が一切なくなることはありません。
ただ、繰り返している問題を解決できれば今まで問題解決に充ててきた時間を利用者へ向けることができます。
わたしは、異動先で介護リーダーとして施設の立て直しを任されました。スタッフ一人ひとりが独自で動き共通の仕組みやルールがない状態。
何から手をつければよいのか、全くわかりませんでした。
そこで参考にした書籍が【トヨタの問題解決】です。
この書籍には、問題解決するには8つの手順を踏んで考える必要があると書かれています。
また、マイナスの状態からゼロに戻すパターン(クレームなど)とゼロからイチを作っていくパターン(仕組みをブラッシュアップするなど)があることを教えてくれます。※ゼロ=もとの状態
問題解決とはネガティブなことが起こったときだけのものではなく、新たなものを作っていくときにも必要な考え方だと学べる本です。
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『トヨタの問題解決』とはどんな本?

トヨタ式の「現場力」を学べるビジネス書
トヨタでは、現場で起きる問題を「人のせい」「運の悪さ」で終わらせず、
“なぜ起きたのか”を掘り下げて、二度と繰り返さない仕組みを作ることを徹底しています。
この本では、その考え方と手順を、誰でも再現できるように整理して紹介しています。
問題解決のステップが体系化されている
本書の最大の特徴は、「問題解決の手順が明確で再現できる」ことです。
多くの人は、問題が起きるとすぐに「対策を考える」ところから始めてしまいます。
しかし、トヨタの考え方では “考える順番”を守ることが最も大切だとしています。
本書で紹介されているのは、次の8つのステップです。
① 問題を明確にする
何が問題なのかを定義する段階です。
「忙しい」「人が足りない」といった感情ではなく、
あるべき姿と現状のギャップを明確にします。
👉 例:転倒事故が多い → 「なぜ多いのか?」を明文化する。
② 現状を把握する
実際に現場を観察し、データや記録をもとに“事実”を集めます。
思い込みではなく、現物・現場・現実(3現主義)を徹底して確認します。
👉 例:転倒が多い時間帯・場所・スタッフ配置を調べる。
③ 目標を設定する
「どんな状態になれば解決といえるのか」を明確にするステップです。
数値や具体的な目標を設定することで、対策の方向性が定まります。
👉 例:「1か月以内に転倒件数を50%減らす」。
④ 真因を考え抜く
トヨタ式の核心部分。
「なぜ?」を5回繰り返して、表面的な原因ではなく真因(本当の原因)を突き止めます。
👉 例:
- なぜ転倒した? → トイレに急いでいた
 - なぜ急いでいた? → トイレ誘導が遅れた
 - なぜ遅れた? → スタッフ配置が固定されていない
 
こうして真因が見えると、効果的な対策が見えてきます。
⑤ 対策を立てる
真因に対して、具体的で実行可能な手を考えます。
「誰が・いつ・どのようにやるか」まで落とし込みます。
👉 例:トイレ誘導時間を決め、担当者を明確にする。
⑥ 実行する
考えた対策を現場で試す段階です。
小さく試してみて、現場での反応や負担を確認します。
⑦ 効果を確認する
対策が本当に効果を出したかどうか、できるだけデータ(定量)で振り返ります。
うまくいかなければ再度原因を見直します。
⑧ 成果を定着させる
うまくいった取り組みをマニュアル化し、標準化(仕組み化)します。
これにより、同じ問題を繰り返さない現場がつくれます。
この8ステップは、介護現場にもそのまま応用できます。
例えば「事故の再発防止」「書類業務の効率化」「新人教育の改善」など、
すべてこの流れに当てはめて考えることができます。
つまり本書は、
「問題を解決する力」だけでなく「組織を前進させる力」を身につける一冊なのです。
問題解決思考で施設を立て直した実体験

冒頭でも述べたように、わたしは異動先で介護リーダーとして施設の立て直しを任されました。
まず結論からお伝えすると3年で利用者・ご家族・スタッフを対象とした施設運営アンケート(※住みやすさ・働きやすさが指標)で、350施設中3位の改善率を記録するまでに引き上げることができました。わたしが異動する前は350施設中298番目に評価が低い施設でした。
ではなぜそれが実現できたのか?
それは、8つのステップどおりに行ったからです。
中でも、真因の分析に力を入れました。まず、問題点を洗い出しそれぞれなぜこのような状況になったのか何度も繰り返し深堀りしました。すると数十個あった問題点の根本的な原因(真因)は6つに絞られました。そこから対策を立て、実行。仕組みやルールが定着するまで3年かかりましたが、原因の分析が正しかったことにより利用者・ご家族・スタッフに選ばれる施設となりました。
また、スタッフにも問題解決思考を身につけてもらうため研修を実施。
1回の研修では身につかないので、現場で問題が発生したときに、なぜ?を一緒に考えるなど伴走しました。
一人でも多くのスタッフが問題解決思考を身につけることによって施設は強くなります。目の前の問題に対して、上司にすぐ回答を求めるのではなく自分で考え出すのです。「〇〇という問題が発生しました。原因は〇〇なので、対策は〇〇とします。よろしいですか。」と会話の内容が変わりました。
もともとマイナスが多い施設がゼロ(もとの状態)に戻り、より良くしていくためにプラスを作っていく。
これら、すべて問題解決思考が成果を出させてくれました。
読者の口コミ


実務に役立つ内容
「問題解決のための8つのステップがわかりやすく書かれているのでスラスラ読み進めあっという間に読破。職場でトヨタの改善を取り入れようと動き始めたところなので、内容をまとめて利用していきたいです!」 引用:ブックライブ

初心者にも優しい構成
「この手の本を読んだことのない人には、軽く読めて導入には良い気がする。読んだことのある人には、ちょっと古いが振り返りには良いかな。」 引用:読者メーター

実践的な内容
「考えるトレーニングになり、社員教育にも使えると好評です。また、具体的な事例を交えて解説されており、実務に即した内容が多く、非常に参考になります。」 引用:アマゾン
デメリット・注意点

読むだけでは実践が難しい
- 本書は問題解決のステップや考え方を詳しく解説していますが、
実際の現場で応用するには自分で現場に落とし込む工夫が必要です。 - ただ読んで理解するだけでは、「机上の知識」に終わる可能性があります。
 
事例が製造業中心
- トヨタ自動車の現場をベースにした事例が多く、
介護現場の人はそのまま当てはめにくいことがあります。 - 「介護用にどう応用するか」を自分で考える必要があります。
 
体系的で論理的すぎる
- 8ステップに沿って順序立てて進める必要があり、
慣れていない人には最初はやや頭でっかちに感じる場合があります。 - 小さな改善をすぐ試したい人には、少し重く感じるかもしれません。
 
すぐに成果が出るわけではない
- 根本原因を追求し、標準化まで行うので、
短期間で成果を実感したい場合は忍耐が必要です。 
確かにデメリットはありますが、それは裏を返せば、本書をしっかり活用すれば大きな成果が得られるということです。
介護現場で「問題が繰り返す」「スタッフがバラバラに動く」といった課題を解決したい場合には、
少し手間をかけて本書のステップに沿って取り組むだけで、大きな改善につながります。
どんな人におすすめか

1.現場の問題が繰り返し起きて困っている介護リーダー
- 事故、ヒヤリハット、業務の遅れなど、同じ問題が何度も起きている人。
 - その場しのぎではなく、根本的に解決したい方。
 
2.改善活動を体系的に学びたい人
- 問題解決の手順(8ステップ)を学び、現場で再現可能な方法を身につけたい方。
 - 「感覚ではなく論理的に改善したい」という人に向いています。
 
3.業務効率化やチーム力アップを目指す人
- 書類業務やシフト調整など、日常業務の効率を上げたい方。
 - チーム全体の動きをスムーズにする改善策を学べます。
 
4.現場経験はあるが、改善のやり方に自信がない人
- 経験はあるけど「どう直せばいいか分からない」「再発防止の仕組みを作れない」人。
 - ステップに沿って考えるだけで、改善力を格段に高められます。
 
「読むだけで即改善!」ではなく、自分の現場に落とし込んで実践する意欲がある人ほど効果が大きいです。
特に介護現場のリーダーにとっては、日常業務の効率化と安全管理の両方に直結する内容です。
今買うべき理由
- 現場の問題が放置されている今だからこそ役立つ
- 事故や業務遅れ、書類作業など、現場の課題は日々発生します。
 - その場しのぎの対応ではなく、根本原因を明確にして改善する力が今すぐ必要です。
 
 - 新しい仕組みやルールを作るタイミング
- 異動や新年度など、現場の体制が変わるタイミングは改善のチャンス。
 - この本を参考にすれば、標準化・再発防止の仕組み作りを効率よく進められます。
 
 - チーム全体の力を底上げできる
- 個人の知恵や努力に頼るのではなく、チームとして問題を解決する方法が学べます。
 - 今学べば、今後の現場改善や新人教育にもすぐ活用可能です。
 
 - 読むだけでなくすぐ実践できる内容
- 8ステップのフレームワークは、今日から現場で応用できます。
 - 実践することで、改善スピードを加速させ、日々の業務が楽になります。
 
 - 介護業界でも課題解決力がますます求められている
- 介護人材不足や業務負担増の中で、論理的に問題を解決できるリーダーは価値が高いです。
 - 今学んでおけば、即戦力としてのスキル向上につながります。
 
 
まとめ
『トヨタの問題解決』は、介護現場のリーダーにとって 必読の一冊 です。
現場で繰り返す事故や業務の遅れ、書類作業の負担など、日々の問題を その場しのぎではなく根本から解決する力 が身につきます。
本書で紹介されている8つのステップに沿って考え、実践することで、
- 問題の原因を正確に把握
 - 効果的な対策の立案と実行
 - 再発防止のための仕組み作り
 
が可能になります。さらに、スタッフ全員に問題解決思考を浸透させることで、チーム力も格段に向上します。
もちろん読むだけでは成果は出ませんが、現場に落とし込み、実践する意欲があれば 短期間でも改善を実感できる 内容です。
問題が放置されている『今』こそ、本書を手に取り、現場で実践を始める絶好のタイミングです。
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