【書評】三好春樹『新しい介護』を読んで気づいた本当に良い介護とは?【レビュー】

おすすめ本

介護現場で働いていると、こんな疑問を感じることはありませんか?

  • 「利用者さんのために、本当に良い介護ができているのかな?」
  • 「自分のやりたい介護って何?」

実は、これらは介護に対する考え(介護観)を身につければ解決します。

なぜなら、介護観が明確になることによって、自分の中で軸ができ「どういう介護をすればいいのか。」が見えてくるためです。逆にそれがないと、普段の忙しさから業務優先になったり先輩のアドバイスに疑問を持つことなく誤った介護をしていたり。それぐらい、介護観は重要なものです。

わたしは、三好春樹さんの著書『新しい介護』を読んだことにより
【自分のやりたい介護、やりたくない介護】が明確になりました。
そして何より、介護することが楽しくなったのです。学んだことを実践すれば、ケア次第で利用者のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)が目に見えて向上していく。やりがいを感じる事ができました。

この本を読むと、介護に対する考えがガラッと変わります。「こういう介護をすればいいんだ。」と方向性がきっと見えてきます。

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『新しい介護』とはどんな本?

著者と本の基本情報

著者の三好春樹さんは、理学療法士であり介護分野の第一人者。
「生活リハビリ」という考え方を提唱し、全国での講演や著書を通じて、介護の本質を伝え続けています。

この本のテーマは、「高齢者を主体に考える」という視点で介護を捉え直すこと。

一般的な介護マニュアルのように手順を説明する本ではなく、
「なぜこういう介護をするのか?」 を問い直し、介護の本質を考えさせてくれる内容になっています。

現場で働く人にとっては、「業務をこなす介護」から「生活を支える介護」へと視点を変えるヒントが得られる一冊です。

介護はマニュアルではなく「考え方」が土台

介護技術は研修など様々な場所で教わります。
ただ、考え方について教わる機会はほとんどありません。

例えば、排泄介助の場合ベッド上でのおむつ交換のやり方を教わることがあっても、人間はなぜ便座に座る必要があるのかは教えてくれません。

便座に座る理由は、重力を利用して直腸や膀胱を空にし、空腹を感じて食事を摂る為です。
このことを知っていれば、お通じを出してもらう為、そして食事量を増やすために
「どうすればこの方をトイレへ安全に連れて行けるか?」と考えます。
少なくとも、スタッフの都合でベッド上でのおむつ交換は選ばないでしょう。

「なぜ、食事をするのか?」「なぜ、入浴をするのか?」

この本は、
「(要介護等関係なく)人間らしい生活ってこういうことだよね」を言語化して教えてくれます。

本をきっかけに利用者主体の介護へシフトできた体験談

現場で仕事をしていると、「業務をこなすことが仕事」「排泄ケアを早くできる人がよい介護職」と利用者主体の考えから、かけ離れていきました。その時は気づいていませんでした。
「なぜ介護職をしているのだろう。」「誰かの為になっているのか。」と我に返るときがありましたが、これ以上深く考えることはありませんでした。

その後、サービスリーダーという役職に就きました。何もかもがうまくいかず介護職を辞めようと思った際、「この業界で働いた証として、介護とは何かぐらいわかってから辞めよ。」を思い、「新しい介護」を読むことにしました。

そこで、「自分のやってきた介護は間違っていた」
利用者のための介護ではなく、スタッフ主体の介護をやっていたことに気づきました。

そこから書籍に書いてあるケアを実践していきました。担当の利用者、認知症のおばあちゃんを機械浴から個浴に。機械浴では何をされるのかわからず終始暴れていました。個浴に入ると大きな抵抗はなく、「あー、気持ちいい。」と話してくれます。「何十年と個浴に入ってきたわけだから、こういう反応になるよな。」と納得しました。

不思議なもので、書籍のとおりにケアをやっていくと、利用者のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)が向上していく。これが、良い介護だと学びました。

良い介護がわかったことにより、介護職として進む道が見えました。
その後は介護職としてやりたいことが増えていきました。辞めたいと思っていた頃には考えられなかったことです。

わたしにとって、この本はバイブルです‼️

読者の口コミ

介護の実務には「根拠が必要」と言われ、根拠の説明できない介護方法は認められないとされています。この対応で良かったかな?と介護者が振り返るとき、この本があると助かります。もちろん実際の介護は各々のケース毎に個別の対応が重要となりますが、底辺となる基礎事項をわかりやすくイラスト入りで見直すことが出来ます。施設での研修にも活用でき、重宝しています。(引用:amazon口コミより)

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再確認の為に(購入)。
スタッフとの共通理解の為に、一冊あるといいですね。(引用:amazon口コミより)

図解なのでとても見応えもありわかりやすいです。
内容もたっぷり 厚みもたっぷりいろいろな意味で見応えありありでした。(引用:amazon口コミより)

図書館に置いていないことも多いので、購入をおすすめする理由(引用:楽天口コミより)

価格はやや高め?いえ、それ以上の価値があります!

価格は約4,000円と少し高めで、383ページもあります。だから、重たいです。
ただ、「このままの介護でいいのかな?」と感じている方にとって、自分の介護観を見直す最高のきっかけになります。
介護観が明確になることのメリットは多数あります。
会社の方針と合っている・いないがわかります。転職する際も、介護観が明確であればマッチする企業の見分けがつきます。(実体験でそう感じました。)
また、介護リーダーとなり「何をしていいのかわからない。」と悩んでいる人の助けにもなります。
多くのメリットを考えると、購入する価値のほうが上回ります。

介護に悩んだときのおすすめ本『新しい介護』

「利用者さんのための介護ができているのかな?」「自分のやりたい介護って何?」と悩んでいる方へ。
それは「新しい介護」を手に取ってもらえれば解決します。

「とりあえず介護の仕事をしている」は、もうやめにして利用者に喜んでもらえる介護をしませんか?

介護技術は職場で学べますが、「介護とは何か?」という根本的な考え方は、自ら学びにいかなければ得られません。

『新しい介護』は、そんな学びを深めてくれる一冊です。
現場で迷ったとき、立ち止まったとき、あなたの背中を押してくれる存在になるでしょう。

【介護リーダー必見】「リーダーの役割がわからない」「言われたことしかできていない」と悩んでいるリーダー向けです▼

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