急に認知症の方が入居され、「何をしたらよいかわからない」や、
既に入居されている方が「落ち着かない」などでお悩みでないですか?
有料老人ホームで働き9年。何人もの認知症の方が入居されました。
「帰ります」と玄関のドアの前で立っておられたり、「あなたのことは存じ上げていません」とケアを拒否されたり。。
色々経験する中で、わかったこと!
それは【生活する環境を整える】
環境を整えることによって、「笑顔が増えた」「表情が明るくなった」など認知症の方の変化がみられます。
今回は具体的な取り組みについて詳しく解説します。
認知症ケアとは
認知症ケアの目指すゴールからおさらいです!
認知症に携わる人は何を目指しケアをするのでしょうか?
それは、
「認知症の方の日々の生活が安定する」
ここを目指しましょう。
また、そのために
①BPSD(徘徊や暴言等)が減る
②生活する環境を整える
この2つを取り組んでみましょう。
※こちらの記事も参考にしてください。BPSDを減らす取り組みが記載されています。
目指すゴールと取り組みを理解した上で、
本日は認知症の方が入居された際、施設で何を取り組めばよいかをお伝えします。
すでに入居されているが、「落ち着かないな。居心地が悪いのかな。」などのお悩みも解決で
きるかもしれないので是非最後まで読んでいただければと思います。
認知症ケア7原則
認知症の方は環境の変化に対応することは苦手です。
なぜなら、脳の機能低下による混乱や不安を引き起こしやすくなるためです。
新しい状況を理解する事がむずかしく不安や恐怖を感じます。結果、より認知機能が低下してしまいます。

でも、一人で生活することが難しくなったり家族が介護できなくなったから施設に入るんでしょ?その時点で、認知機能は低下していく一方ということ?

認知症を治す事はできませんが、進行を遅らすことはできます。
住む環境が変わってしまうことはどうしようもできませんが、施設で今までと同じような生活ができれば認知機能低下の進行を遅らすことができます。
施設でできる取り組みを学んでいきましょう!
1.環境を変えない
2.生活習慣を変えない
3.人間関係を変えない
4.三大介護をより基本的に
5.個性的空間づくり
6.一人ひとりの役割づくり
7.一人ひとりの関係づくり
この7つの取組みについて具体的に説明していきます!!
1.環境を変えない
→入院、ショートステイ、引越しにより住む環境が変わることは、認知症の方にとって大きな不安となります。 認知症状により、なぜ自宅を出ないといけないのかわからないから尚更です。自宅で過ごしていただくことが1番ですが、いろいろな理由があり、そうはいかないのが現実です。
ご自宅を離れることになった際は、下記2〜7の取り組みを施設で行いましょう。
ただ、親族の方や介護職員等は「どうすれば自宅で過ごしてもらえるのか?」を考える事は大切です。
2.生活習慣を変えない
→ご自宅で習慣として行ってきたことはそのまま継続してもらいましょう。夕食時にお酒を飲まれる方であれば変わらず飲んでもらいましょう。タバコもそうです。「体に悪いです。」と医師などの指示でストップさせてしまう施設がありますが、残りの人生が短い方からすれば、今更健康を維持する事より好きな事をして最期を迎えたいと思っている人の方が多い印象です。
3.人間関係を変えない
→施設に入ると一緒に住んでいた家族や近所付き合いがあった方と離れることになります。私達も新しい組織やグループに入ると落ち着きません。挨拶をして徐々に打ち解け仲間が出来ます。ただ認知症の方には難しいです。スタッフが他入居者との仲介役をしないと孤立してしまいます。まずは挨拶から行い、同じテーブルで食事をする。レクに参加しそのままお茶タイムをする。などの工夫が必要です。
また入居して間もない時は、顔なじみの方との面会を2日に1回ほどあると良いでしょう。施設職員や他入居者となじみの関係ができてくれば、面会の頻度を減らしましょう。
4.三大介護をより基本的に
→普通の生活をしていただくことです。
※以前のブログになぜ三大介護が重要か記載しています。ご確認ください。
認知症の方は環境の変化に対応することが苦手とお伝えしてきました。それは、身体介護でも一緒です。認知症だからといって機械浴に入れてしまうとかえって不安を煽ってしまうケースがあります。
今まで通りの生活を施設でも行っていただくことが大切です。
5.個性的空間づくり
→施設に入居される際は、以前使用していた家具や食器などできる範囲で持ち込みましょう。
特に本人がよく使用していたものがあれば必須です。よく聞いていた音楽を流すことも良いです。
最初は「自分の家ではない」と居室に戻ることなく施設内を徘徊していた方が、本人に合った居室を作ることによって居心地がよくなり「私の家に勝手に入ってこないで」と気持ちの変化が表れる事があります。
6.一人ひとりの役割づくり
→役割を持ってもらうことで、他者に貢献出来ている自分に自信が持てたり、居場所が見つかります。また、なにかに没頭している時はBPSDの症状が出にくいです。
役割をもってもらうためには、
・かつてやってきたこと
(趣味、仕事等)
・今の身体でできること
・周りから認められること
(「◯さん、手先が器用ですね。」その場合、野菜の皮むき等の役割を担ってもらう)
をアセスメントするところから始めてみましょう。
7.一人ひとりの関係づくり
→「3.人間関係を変えない」と重複するところはありますが、施設内で関係性を構築することは必須です。
どういう方と関係性を作っていけばよいのか。
・共感してくれる人 ・規範となる人 ・困ったときに頼りになる人
・共感してくれる人とは、認知症の方です。
認知症の方は相手の会話を遮ったり否定することが少ないです。笑顔(愛想笑い)をみせてくれます。残念ながら、会話の内容が理解できていない事が要因です。認知症の方同士で、食事を続けていくと名前は覚えていなくても、顔は覚えていたりします。知っている人がいるという安心感に繋がります。
・規範となる人とは、面倒見が良い自立の方です。
わからないことのお手本を示してくれる方がいます。(体操の動きがわからなくなった際、「次は手を広げるのよ」等)関係性がうまくいれば、頼れる仲間になります。
・困ったときに頼りになる人とは、介護職員等施設関係者です。
ケア(入浴や排泄など)を行うことによって、関係性が構築されていきます。
困っているときを見かけた際は、お手伝いをしましょう。
これらは、相性や認知機能のレベルよって説明したことが全て上手くいくわけではありませんが、
何をしたらよいかわからない際は、是非取り組んでみてください。
まとめ
認知症ケア7原則について説明してきました。
認知症でない私たちも、7原則によって生活が成り立っています。
自分の部屋は好きなように装飾したいし、同じ生活リズムで馴染みの仲間がいてほしいと願っています。それが叶わないと、気持ちがソワソワします。
認知症だからではなく、今までどおりの生活をしてもらう。そのためには、その人を知ることから始まります。まずは環境作りを!
認知症の方の笑顔が広がる施設ができあがりますよ!!
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