【介護現場で実践】3大介護「食事介助」の基本と正しい姿勢・環境づくりとは?

介護観

はじめに:食事介助の重要性とは?

このページでは、3大介護のひとつ「食事介助」について説明します。

食事は生きていくうえでとても重要な役割を担っています。また、高齢者にとっては生活の中の「楽しみ」のひとつでもあり、年齢を重ねてもその価値は変わりません。

しかし、その食事の時間が「ただの作業」になっていないでしょうか?
介護職員は「どうすれば、その人が自分らしく食事を楽しめるか」を考える必要があります。

今回はその具体的な考え方と実践法を解説します!

食事介助とは?|3大介護の基本

食事の目的はただ食べさせることではなく、「元気になるため」の行為です。
食事から栄養を取り入れることで健康が維持され、生活の質(QOL)も向上します。

介護職が目指すべき介助のゴールは、

「椅子に座って、口から自分で食べる」

です。

椅子で食べる時の正しい姿勢

介助の第一歩は「椅子に座って食べてもらう」こと。
車椅子は本来「移動用」であり、背もたれの湾曲が姿勢を崩しやすく誤嚥・窒息リスクが高くなります(例外あり)。

椅子での食事:姿勢チェックリスト

✅ 足底がしっかり床についているか

✅ 前傾姿勢になっているか

✅ 背もたれにしっかり寄りかかっているか

✅ テーブルが高すぎないか(肘を置いて90度が目安)

リクライニング車椅子での食事

座位保持が難しい方はリクライニング車椅子を使うこともあります。
この場合、以下の点に注意しましょう。

✅ 足底が床またはフットレストに接していること

✅ 前傾姿勢を保てる角度(45〜80度)

車椅子での食事を希望される場合

「どうしても車椅子で食べたい」という強い希望がある場合、否定せずに理由を確認し、環境を調整しましょう。
この場合、以下の点に注意しましょう。

✅ 椅子での食事環境に近づける

✅ 前傾姿勢をサポートするクッションを背中に配置

ベッド上での食事介助の正しい手順

車椅子で食事をする方同様、理由を確認し、環境を調整しましょう。
お看取りの方や、骨折し痛みが残って動けない方が対象になります。
この場合、以下の点に沿って順番に行いましょう。

1.上方移乗し、姿勢を整える

2.足・頭の順にギャッジアップ(頭部60度が目安)

3.枕の後ろにタオルを入れ、顎と鎖骨との距離を指4本ほどにする

4.重力がかかるため、両肩・腕にクッションを詰めて安定

5.足底にクッションを置く

「自分で」食べてもらおう

自分で口まで運んだ食事と、誰かに食べさせられた食事では、味の感じ方や満足感が大きく異なります。結果、食事量が変わってくることもあります。そのため、自分で食べるとはすごく大切なことなのです。

自立をサポートする具体策

  • 手の動きが悪い → 自助具の使用
  • 咀嚼力に不安 → 義歯の調整や食形態の変更
  • 嚥下困難 → とろみ調整やSTへの相談

共同動作介助という方法

スプーンを握れる方には、職員が手を添え、一緒に食べる感覚を作る「共同動作介助」も効果的です。

時間がないときの工夫

「30分の食事介助中、最初の10分は自立支援、残り20分は介助に徹する」などの時間配分を意識するだけでも、自立支援につながります。

よくある質問(FAQ)

食事中にむせる方はどうすればいい?

姿勢の再確認と、必要に応じて専門職(ST)に相談を。食形態や食事ペースの調整も有効です。

まとめ|良い食事介助とは?

食事介助とは、ただ「食べてもらう」のではなく、

「安全に・楽しく・できる限り自分で食べる」

という尊厳を守る行為です。

次回予告

次回は、3大介護のひとつ 「排泄介助」 について投稿します!

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